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静岡県浜松市立湖東中学校

「クラシックギター×デジタル教材」で授業の充実と効率化を両立

2016/01/21

中学校器楽
  • ギター

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 2015年の夏、1年生のクラスでICTを活用したギターの授業をされた山下先生は、デジタル教材や遠隔授業に手ごたえを感じられ、このたび3年生のクラスでも同様の授業を実施されました。
 1年生のクラスでは「情熱の花」の演奏を習得しましたが、今回3年生が挑戦する曲は「カントリーロード」。既にリコーダーで学習した曲でもあり、生徒たちにとても馴染みのある曲です。リコーダーとギターのアンサンブル演奏を目標に、授業がスタートしました。


 

1.デジタル教材を使って一斉授業

 

 3年の生徒たちは、1年時にギターの授業で「かえるの歌」のメロディ弾きを学習したようですが、2年ぶりなのでギターの構え方などの復習からスタート。山下先生はデジタル教材を大型モニターに映し、授業に活用されていました。デジタル教材では、イントロダクションとして、ギターの構え方、姿勢、ピックの持ち方なども映像で詳しく説明しています。夏に「情熱の花」で1年生の生徒たちが苦労したポイントについては、更に詳しく丁寧な説明動画に改変したので、より使いやすい教材になっていたと思います。
 そして、3年生にとって初めて体験するコード弾き。大型モニターに映し出されている映像は演奏者目線のアングルを取り入れながら解説しているので、非常に分かりやすく、手のフォームや押さえる弦を視覚的に確認しながらコードを鳴らすことができました。

 


 

2.タブレット端末を使って練習

 

 クラス全員で一斉学習した後は、ペア学習でコード弾きの練習をしました。大型モニターで使用したものと同じデジタル教材を、手元のタブレット端末を使って見ることができるので、何度も苦手な部分を繰り返したり、映像を拡大して確認してみたり、生徒自身のペースで練習していました。またヘッドフォンを使用したため、周りの音に遮られることなく練習に集中できたようです。山下先生が遅れを取ってしまった生徒のフォローをしている間も、他の生徒たちは先生の手を借りることなく練習を進めることができます。このような点においても、デジタル教材が上手に活用されていました。

 


 

3.遠隔授業

 

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 ヤマハ本社と湖東中学校を遠隔で繋ぎ、デジタル教材の中で指導を担当しているギター講師から指導を受けることができました。生徒たちは授業だけでなく、休み時間にもギターの練習をしていたとのこと。そのためか、自分自身の演奏についての課題を具体的に把握していたようでした。「コードチェンジがうまくできない」「きれいな音が出ない」などの質問に対して、講師から1つ1つ丁寧にギター演奏を交えながら解説と指導をしてもらいました。

 


 

4.ゲストティーチャー登場

 

 翌週には、遠隔授業で指導してもらったギター講師にゲストティーチャーとして授業に登場していただきました。目の前で生演奏を聴く機会はほとんどないため、ゲストティーチャーの演奏に生徒たちの目はくぎ付けでした。ところどころで「すごい!」「かっこいい!」などの声が聞かれました。また、生のギターの音を聴くことにより、目標とするギターの音のイメージが明確になり、生徒たちのギターの音色がガラッと変わりました。学校で使っているのはクラシックギターですが、ギターの仲間でもあるウクレレやエレクトリックギターの演奏も聴くことができ、ギターへの興味も高まったようでした。

 


 

5.ギター&リコーダーアンサンブル

 

生徒手作りの壁新聞

 コードを押さえ、ストローク演奏をするという初めての挑戦でしたが、たった5時間でリコーダーとアンサンブルできるまでのレベルの演奏ができるようになりました。テンポは少しゆっくりですが、しっかりコードチェンジもできるようになり、また、音が濁らないためのコツも習得し、生徒自身の達成感も得られたように思います。授業の後、「今後もギターを弾いてみたい」という声も多く聞かれました。
 中学校を卒業した後もこの授業をきっかけとしてギターという楽器に親しんでいってもらえたらと思います。