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活動・事例紹介 Activities & Showcase

― 学級歌をつくろう! ―静岡県浜松市立三ヶ日西小学校・中瀬小学校

main教育現場でのIT活用について研究活動しているD-project。その東海支部でご活躍中の菊地寛先生(浜松市立三ヶ日西小学校)、有谷剛仁先生(浜松市立中瀬小学校)から「学級歌づくり」についてご相談をいただきました。先生方は共に6年生のクラスを担任されており、「卒業の記念に・・・」というお気持ちもあったようです。
日頃から音楽を聴くことはあっても作曲のご経験はないとのことで、「学級歌づくり」の指導は不安なご様子。そこでiVOCALOIDを活用した創作授業の事例をご紹介し、今回の「学級歌づくり」向けにアレンジしたカリキュラムで創作授業をお手伝いさせていただきました。

 


 

1.歌詞をつくろう

 

学級歌

事前準備として、それぞれのクラスで歌詞を作ってもらいました。
学級歌の長さは、Aメロ8小節、Bメロ8小節、サビ8小節の計24小節を想定していましたので、この中で生徒達の想いを表現することになります。注意しなくてはならないのが「文字数」です。全て8分音符で音を並べた場合、8小節で64文字になります。長い音符や休符が入ることを考慮し、文字数は抑え気味にするのがポイントです。8小節で50~60文字くらいが良いでしょう。
先生方によると「文字数が制限された中での作詞は難しかった」とのことでしたが、楽しく明るいクラスの雰囲気が感じられる素敵な歌詞に仕上がりました。

 


 

2.曲づくりの基礎を学ぼう

 

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音楽の教科書に載っている曲や生徒たちが好きな曲を例に、「曲の構成」「メロディ」「リズム」についてヤマハスタッフがレクチャーしました。
「Aメロ、Bメロ、サビ、それぞれの特徴や役割について」、「言葉の区切りを意識したリズムの作り方」、「メロディラインの考え方」、「メロディやリズムを反復することの効果」などなど。今まで何気なく聴いていた曲の中にも、そのような要素がいっぱい含まれています。最初は「むずかしそう!」と感じていた「曲づくり」でしたが、生徒たちの大好きな曲を通して理解を深めることができました。

 


 

3.iVOCALOIDを活用してメロディを作ろう

 

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いよいよ「学級歌づくり」です。5人1グループで8小節ずつ担当します。最後は3グループ(Aメロ、Bメロ、サビ)の作品を繋げて1曲の完成となります。
ヤマハでは「学級歌づくり」用にコード進行の異なる伴奏を数パターン用意しました。どの伴奏を基にメロディを作るのか選ぶところからスタートです。
5人で1台のiPadを覗きながら、iVOCALOIDの画面上に音を並べていきます。
言葉の区切りを意識して、音の長さや休符を入れるなど工夫しながらメロディを組み立てます。サビ部分を担当するグループは、音を高めにして盛り上げたり、Aメロを担当するグループは落ち着いた雰囲気になるようにメロディを考えているようです。「曲づくりの基礎」で学習した内容が、しっかり実践されていました。
1小節ほどメロディができると伴奏と一緒に再生し、メロディの音程を確認します。伴奏のコード進行に合わない音はすぐに音程を変更し、また再生。iVOCALOIDは直感的に操作できるのでメロディを試行錯誤することに集中できるようです。グループ内でいろいろなアイディアを出しながら楽しそうに音を並べている姿が印象的でした。

 


 

4.ネットで交流。学級歌の発表

 

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菊地先生の「三ヶ日西小学校」と、有谷先生の「中瀬小学校」は車で1時間ほどの距離があります。なかなか交流を持つ機会は無いのですが、両校をインターネットで繋ぎお互いの学級歌を発表するという試みを実施。
教室の大型テレビを通して手を振ったり、ジャンケンをしてみたり。また、写真を交えながら給食のメニューを紹介、運動会の様子や修学旅行の情報交換などで大盛り上がり。お互いに他校の様子に興味津々です。
そして、いよいよ学級歌の発表。曲の完成から1週間ほどしか経っていませんが、どちらのクラスもしっかり斉唱できています。生徒たち自身で試行錯誤しながら考えたメロディ。「練習していないのにすぐに歌えるようになった」と先生方も驚いていらっしゃいました。
28kmほど離れている両校ですが、完成したばかりの学級歌を臨場感のあるクリアな音質で披露することができました。
同じ教材で取り組んだ「学級歌づくり」ですが、それぞれ違う雰囲気の曲に仕上がっていることにもビックリ。お互いに感想を発表し合い、拍手を交わして遠隔コミュニケーションを終えました。

 


 

5.三ヶ日西小6年生、卒業式で学級歌を披露

 

三ヶ日西小6年生の皆さんは、2016年3月18日に卒業式を迎え、6年間の思い出を朗読する「旅立ちの言葉」の中で、2クラスそれぞれの学級歌を披露しました。どちらのクラスも楽譜を見ることなく、堂々と大きな声で歌うことができました。この学級歌はオリジナルCD向けに事前にレコーディングされ、卒業生全員へ記念品として贈られました。小学校の思い出の1つとして、心に残る1曲になったことでしょう。

 

6.中瀬小6年生、学習発表会で学級歌を発表

 

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中瀬小学校6年生の皆さんが、11月27日、学習発表会のステージで学級歌を発表しました。完成からわずか1ヵ月余りでしたが、体育館に響き渡るほど大きな声で生き生きと斉唱していました。先生によると、修学旅行のバスの中で児童たち自ら歌ったりするほど、自分のクラスの学級歌が気に入っているとのこと。また、ホームルームの時間になると、廊下を伝って他のクラスの学級歌が聞こえてくるそうです。

 

担当の菊地先生・有谷先生の声

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企画した当初は、我々の担当クラスのみで「学級歌づくり」に挑戦する予定でしたが、最終的には6年生全学級での取り組みになりました。曲づくりの基礎を学ぶレクチャーでは、難しくて途中で集中力が切れてしまう生徒もいましたが、iVOCALOIDでの創作に入ると全員積極的に楽しくメロディづくりに取り組んでいたのには感心しました。それぞれのクラスで完成した「学級歌」の聴き比べをしたところ、どのクラスも「自分のクラスの曲が一番好き!!」という反応。きっと、自ら試行錯誤して作ったメロディなので、愛着があるのですね。これからそれぞれの発表に向けて二部合唱の練習を始めるところです。生徒たちの良い想い出になれば嬉しいです。