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活動・事例紹介 Activities & Showcase

― 「リコーダー×デジタル教材」で授業の充実と効率化を両立 ―静岡県浜松市立舞阪中学校でのトライアル事例

リコーダー練習用デジタル音楽教材の開発にあたり、浜松市立舞阪中学校の辻村先生からは、リコーダーの授業において運指などを生徒に視覚的にもっと分かりやすく提示し、その音を連動させて聴けたりできればよいという御意見をいただきました。今回、開発中のリコーダー練習用デジタル音楽教材を見ていただいたところ、この教材では曲の進行と運指を目で見て確認しながら音も聴けるので、リコーダーが苦手な生徒にも分かりやすいのではないかという感想をいただき、早速授業で活用いただくことになりました。曲目は、生徒がよく知っているポピュラーな曲に挑戦させたいとの想いから「涙そうそう」が選ばれました。


 

導入(1時間目)

 

授業風景1

1時間目の授業では、最初にデジタル音楽教材のお手本を聴いて、どういうところに気をつけて演奏したらよいかということを個々の生徒が考え、それを発表しました。生徒からは「音の強弱を工夫する」「音の響きに気をつける」「やさしく吹く」「タンギングを使ってなめらかに吹く」といった意見が出て、表現力のある演奏をしたいという意識が伝わってきました。辻村先生は、それに加えて、今までのリコーダー授業で確認してきた基本的な注意事項「息の使い方」「姿勢」「タンギング」「拍の流れ」の4項目についても改めて御指導されました。さらに、この曲の中では難しいシのフラットの運指を確認し、早速練習をスタートしました。
「涙そうそう」の最初の4小節を全員で演奏した後は、班に分かれて、デジタル音楽教材を活用しながら繰り返し練習しました。タブレットを活用した初めての班練習でしたが、タブレットを中心にすぐに生徒同士のコミュニケーション(言語活動)が始まり、教え合ったり、学び合ったりしながら楽しく練習することができました。

 


 

デジタル音楽教材を活用した練習(2~3時間目)

 

2時間目と3時間目は各人の演奏力を向上させるため、反復練習に時間を割きました。演奏にあたっての注意事項(前述の4項目)を確認したら、ウォーミングアップに全員でデジタル音楽教材の伴奏に合わせて数回演奏し、音だしに慣れたことを見届けてから班に分かれての練習をしました。
一班に一台のタブレットが配られ、デジタル音楽教材を利用して何度も繰り返しながら練習します。デジタル音楽教材には、楽譜に連動して運指が表示される機能があり、リコーダーが苦手な生徒でも視覚的に確認しながら練習を進められているようでした。また、テンポ変更機能を使って難しいところのスピードを遅くしたり、リピート機能を活用して繰り返し練習したり、自分達のペースで学習を進めていました。伴奏を再生しながら練習できることから飽きることなく、ほぼすべての班が集中して練習に取り組んでいたことには大変驚きました。
また、班練習の間、辻村先生は細かな机間指導をされており、そのことも生徒の集中力、モチベーションアップにつながっている印象を受けました。

 


 

より豊かな表現を目指して(4-5時間目)

 

間違えないで演奏が出来るようになってきたところで、4時間目の授業ではより高度な表現力のある演奏にチャレンジしました。この授業では「サビ」の部分をどのようにしたら感情豊かに、美しい音色で演奏できるか、まずは「森山良子」さんの歌を聞いて生徒各々で考えます。次に、班に分かれて意見を持ち寄り、さらに考えを深めます。教科書を確認しながら、これまでにならった音楽表現と紐づけて考えるグループや、息の使い方で表現を工夫するグループなど、それぞれ特色のある議論が展開しました。自分たちのやりたい表現が決まったら、その内容に従って繰り返し練習を行いました。その後、いくつかの班に話し合った内容を発表してもらい、その班全員で「サビ」の部分の演奏を行うことで、今までの演奏に比較して、一層表情豊かな気持ちを込めた演奏が出来ていました。
最後の5時間目の授業では、個々に練習の成果を発表しました。デジタル音楽教材を活用して繰り返し練習したことで、基本的な演奏がしっかりと身に付いているだけでなくさらに豊かな表現力も加わり、これまでの充実した学びの成果が存分に身に付いていました。

 


 

辻村先生の声

舞阪中学校 辻村先生
今回のデジタル音楽教材は、「見てわかる、聴いてわかる」というのがポイントだったと思います。視覚と聴覚の両方の情報があることで、リコーダーの苦手な生徒も大幅に上達しました。教師側としては、机間巡視しながら、生徒により細かく丁寧に声かけできたことが利点でした。生徒の様子に目が届くようになり、1時間の授業の中で生徒の成長が分かる。評価のための情報量も増えますし、上達の様子を見ながら次の授業ではこうしてみようかな、などと考えることもできるようになりました。

 

生徒の皆さんの声(アンケートから抜粋)

◎テンポの速さが調節できたり、運指がよく分かったりして少し困った時にとても使えて便利だなと思った。
◎ただ吹いているときよりも、伴奏があったり、メトロノームがあったりととても楽しく効率よく練習できました。運指が分からなくなっても画面を見ればすぐ分かり、やりやすかった。
◎音楽に合わせて自分たちの好きな箇所を練習できるのがいいなと思いました。私はリコーダーが苦手なので、運指やスピードをゆっくりできる機能がとてもよかった。
◎分からない箇所などや拍が分からなくなってしまった時に、デジタル教材を使ったら分かったので便利だなと思った。
◎デジタル教材を使うと見やすく、分かりやすかったので、これからもデジタル教材を使った授業を受けたいと思った。
◎デジタル教材は普段だと授業中に2~3回しか聞けない曲を何回も聞くことができてとてもよかった。そして、テンポも調整できるのでできないところのテンポを遅くして、何回も練習ができた。クラス全体だと追いつけない所を個人で練習できるのはうれしかった。

 

アンケート結果
(※デジタル音楽教材を授業で活用した1~2年生171名によるアンケート)