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静岡県浜松市立都田中学校

「クラシックギター×デジタル教材」で授業の充実と効率化を両立

2016/02/12

中学校器楽
  • ギター

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 日頃よりICTを活用した音楽の授業に積極的に取り組まれている浜松市立都田中学校の金原先生。昨年、2年生のクラスで実施したデジタルコンテンツを活用したギターの授業に手ごたえを感じられ、今年は2年生と3年生の2つの学年でギターの授業を実施しました。


 

2年生 <初めてのギター授業>

 

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 昨年、上級生が音楽の授業でギターに取り組んでいたのを知り、早い時期から「僕たちも来年はギターやるよね?」と楽しみにしていた2年生。チャレンジした曲は「スカボローフェア」です。金原先生は教室の大型モニターにデジタルコンテンツを映し、クラス全員でギターの授業を行いました。
 解説動画は奏者目線のアングルで、生徒にとって視覚的に理解しやすくなっています。また、ギターの構え方やピックの持ち方、各コードの押さえ方、コードチェンジの仕方など、学習項目が細かく分かれており、生徒の習熟度に合わせて学習を進めることができ、大変便利に使っていただけたようです。
 生徒たちは嬉しそうにギターを抱えている半面、初めて触るギターに戸惑いも感じているようで、恐る恐る弦を鳴らしている生徒も少なくありませんでした。しかし、ギター授業の最終日に来校したゲストティーチャーの演奏を目の当たりにすると、目標とする音質や音量が明らかになったためか、生徒自身のギターの音に変化が見られ力強く弾くことができました。デジタルコンテンツとプロの生演奏での指導を組み合わせることで、ギター演奏の習得に、より効果を上げたようです。
 ギター授業の仕上げとして、5~6人のグループでリコーダーとギターのアンサンブル演奏をしました。前奏は生徒たちが創作したのですが、中にはゲストティーチャーからのアイディアを即席で取り入れて演奏している生徒もいて、その応用力には驚くほど。ゲストティーチャーの演奏に触発されテンポを上げて軽やかな演奏ができた生徒たちの表情には、達成感と満足感が見られました。

 


 

3年生 <2年目のギター授業>

 

 2年生の時に「情熱の花」を学習して以来、1年ぶりのギターの授業でした。ほとんどの生徒がギターに触ること自体が久しぶりでしたが、昨年とは違い楽器の扱いにも慣れている様子。ギターを構える姿も自然で楽器との距離が近く感じられました。これは演奏にも影響しており、躊躇なく思い切り歯切れ良くギターを弾くことができているので、ギター本来の音色がきれいに響いていました。
 今年のチャレンジ曲は「カントリーロード」。金原先生は2年生と同じくデジタルコンテンツを教室の大型モニターに映し、3時限ほど授業をされました。新しく登場した難しいコードもありましたが、昨年ギターを学習した効果からか、2年生よりも習得速度は格段に早く、これには金原先生も驚いていらっしゃいました。やはり経験を重ねることは楽器の上達には欠かせない要素なのかもしれません。またシンコペーションを含むストロークはなかなか難しく昨年はぎこちなさもあったのですが、今年はリズミカルなストロークができるようになり、「カントリーロード」らしい軽やかな演奏ができました。
 授業最後にはリコーダーとギターのアンサンブル演奏を、ヤマハ本社と遠隔レッスンで繋いだゲストティーチャーに聴いてもらいました。昨年も同じ生徒たちに指導したゲストティーチャーは成長した生徒たちの演奏に驚き、喜んでいました。
 中学校の音楽の授業をきっかけに、これからもギター演奏を楽しんでもらえることを期待します。