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活動・事例紹介 Activities & Showcase

― 「歌唱自動分析評価システム」を使って民謡に挑戦! ―静岡県浜松市立都田中学校でのトライアル事例

mainギターの授業にICTを活用されるだけでなく、日頃より積極的に研究会などに参加しICTの可能性について模索されている金原先生。静岡大学教育学部附属静岡小学校で実施した民謡の授業でのICT活用についてご紹介したところ、たいへんご興味を持たれたようでした。もともとヤマハの技術である「歌唱自動分析評価システム」をご覧いただいた折りに、「民謡の授業に対して有効ではないか」と話されていました。「ぜひ都田中学校でも実施してみたい」ということで、ICTを活用した民謡の授業を実施することになりました。


 

1. 福島県民謡「会津磐梯山」について知ろう

 

授業で学習する民謡として「会津磐梯山」を選曲された理由について、「東日本大震災を風化させてはいけない」という想いと「被災された福島県の人々を応援したい」という気持ちからと話す金原先生。また、曲調が明るく楽しく歌えるのではないかという期待もあったそうです。
生徒たちは範唱を聴きながら歌詞を必死に聴き取りますが、なかなか歌詞全体の意味まで把握するのは困難です。そこで金原先生は頭を垂れ黄金に輝く稲穂が一面に広がる田園風景や、どっしりとそびえ立つ磐梯山の写真を見せながら福島県会津地方の紹介をしました。美味しいお米と美味しいお酒、そして豊かなお湯に恵まれた温泉。そのような背景から生まれた民謡「会津磐梯山」。それを踏まえて聴くと、会津地方の生活の様子をも感じることができ、「会津磐梯山」の理解を深めているようでした。

 


 

2.「会津磐梯山」を歌ってみよう

 

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範唱を聴き、気付いたことを発表し合いました。「地声での歌唱」「合いの手」は日頃歌っている合唱曲とは大きく違います。また、「コブシ」や「産字(うみじ)」など民謡独特の表現があることを学びました。
民謡の特徴について学んだ後は、歌唱の挑戦です。歌詞のみが印刷されたプリントを使い、範唱を聴きながら音程の変化や「コブシ」などの表現を使っている箇所を書き入れながら旋律を覚えました。初めて歌う民謡に戸惑いと不安を隠せない生徒たちでしたが、自信が無いながらも「会津磐梯山」の旋律が口ずさめるようになりました。

 


 

3.「歌唱自動分析評価システム」を使って練習しよう

 

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この「歌唱自動分析評価システム」は、歌唱を自動で分析し、音程、タイミング(リズム)だけでなくコブシ、ビブラート、しゃくりなどもiPadの画面上に視覚的に表示し、客観的に評価することができるシステムです。
生徒たちは4人グループでiPadを1台ずつ使い、一人ずつ順番に歌いました。歌ったフレーズはリアルタイムで音程が線で可視化され、お手本との違いが一目で確認できます。また、「コブシ」と判定された箇所にマークが付きますので、それを頼りに「コブシ」を付けるコツなどを模索しているようでした。自分の歌が可視化され、お手本との比較が容易にできることは、生徒たちにとって非常に分かりやすく、練習ツールとしても魅力的だったようです。時間を忘れて繰り返し練習している姿が、教室のあちこちで見られました。
授業の最後にもう一度クラス全員で「会津磐梯山」を歌ってみると、「歌唱自動分析評価システム」を使う前とは比べ物にならないくらい、大きな声で歌えていることに驚きました。練習を繰り返すうちに、民謡を歌うことが楽しくなってきているようにも感じられました。

 


 

4.口三味線と合わせて歌ってみよう

 

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民謡の授業の締めくくりとして、グループ毎に会津磐梯山の歌唱発表をしました。本来民謡は三味線やお囃子などの伴奏によって歌われるものですが、学校には三味線が無いため、三味線の代わりに「口三味線」を取り入れることにしました。「トン チリ トン チリ トンテテテンシャン」と「口三味線」で伴奏をする人は「お囃子」も担当します。口三味線チームと民謡を歌うチーム、それぞれ3~4人ずつ1グループとなり「会津磐梯山」の演奏を発表しました。民謡の歌い方の特徴を生かし、表現を工夫しながら民謡に相応しい演奏ができるようになりました。
実際に民謡の演奏を体験することにより、日本伝統の音楽に興味を持ち、伝統音楽の良さを学ぶことができたように思います。

担当の金原先生の声

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従来の民謡の授業では「日本伝統の音楽を知る」という目標での取り組みでした。民謡の特徴を学び、範唱を真似て歌ってみるという体験をしてきましたが、今回は「歌唱自動分析評価システム」を使うことにより、もっと深く民謡を体験することができました。
「自分の歌が可視化される」ということは、非常に良いと思います。可視化されたデータを見ることで、自分が正しく歌えているかどうか判断することができます。授業のワークシートにも「コブシが○回できた!」などと書いている生徒も多くいました。
民謡だけでなく、合唱の練習にも使えそうな気がします。音量変化などの表現も可視化されると、活用の幅も広がりますね。